夏の階段

夏の夜の階段に、その蝉は落ちていた。

私はその蝉を持って帰り、多少の水を与え

庭の枝にとまらせた。

蝉はあっちこっち枝を渡り

元気そうだったが

翌日の昼にはそこにいなかった。

私はあたりを捜し

その木の下の土に上で

じっとしているのを見つけた。

蝉はまるで生きているようだった。

私は手をそっと合わした。

夏の太陽はじっと地面を照り付けていた。