お手洗いしとしとと鳴る梅雨の頃
大杉挽歌
公園のヒマラヤ杉は、ドキドキしていた。
もうそこまで伐採は進んでいた。
街路樹の方は、あらかた幹から切られて
いよいよ公園の中に来るのは時間の問題だった。
なにかの間違いであったりして、計画の見直しはないのか?
自分で言うのはなんだが、50年以上ここに根を伸ばしてきた古参なのだ。
幹回りにも自信がある。だから切らないでおくれ!!
その日、一つの公園から一本の立派なヒマラヤ杉は消えました。
蛍火
蛍火の今年少なし早瀬かな
初夏にて
最近は初夏と思えば真夏なり
スライスチーズ
食パンにスライスチーズをのせて
トーストのスイッチを押せば
香ばしいにおいのだんだんしてくるね。
そして、コーンポタージュと一緒に食べるよ!
幸いかな幸いかな…
梅雨の夜に
梅雨の夜や雨はザーッと鳴り響く
鉢の土柔らかくて
ジャスミンの鉢にお昼寝かたつむり
前梅雨ありて
前梅雨に眼は疼きたるひねもすや
良き夕日
いい夕日だ。強い光線は目に突き刺さるようだ。
風は、穏やかに木々を音なく揺らし
5月の香りを運んでくれる。
そのように思う間に、ああ日は暮れる…
紫陽花
アジサイの無数の蕾膨らみて
違和感の顔
違和感の顔正体はマスクなし
雨上がり
雨はやんでしまった。久しぶりの雨だったのに。
大気は少し洗われて、空気はうまくなった。
子供のころは、自然の怖さをわかっていなかった。
一人の無関心やわがままが、天変地異の引き金になっているのに…
そんな大きなことは誰にもできないさ。小さな気配りが大切と思う。
月満ちて夏の始まりに
雲払う風は冷たき夏の月
立夏なれど月思いて
月見ては心流れるピアノなり
忘れ桜に雀集いて
葉桜の下の花びら食う雀