冬の風吹けばカラスは舞いあがる
月: 2019年12月
小雨
冬の雨に打たれながら町を行く。
冷たくもない小雨さ。
押し迫った師走の静寂に
去りし日の思いはめぐる。
拍子木
拍子木の有難きかな火の用心
たまには晴れるさ
知人に会えば、その人の気持ちに釣られて一時的にでも元気になる。
空は冬特有の曇り続きでも、たまには晴れるように。
本質的には問題は解決しないのはわかっている。
それでもたまには、はっちゃけるのも良いことさ。
目前に新年を控えて
鐘の音の幻聞こゆ晦日かな
あわただしき年末も慣れてきて
年の瀬に人は落ち着き戻りけり
蜜柑
年古りて冬は蜜柑と戻りけり
イブ
いつもより静かに思うイブの町
冬の日に飢えたる野鳥訪れて
オリーブの実は渋くともかじる鳥
小休止
今日は束の間の小休止。
明日はどっちに転ぶか。
ひと月位は持たせるさ今まで通り。
それ以降は人の手を借りざるをえない。
人それぞれに試練はあるさ。
みかん
冬ごもりこたつのおとものみかんかな。
冬
銀色の雲と冷たい風は、山並に化粧した。
暖冬なりに季節は進んでゆくよ。
雀は庭に飛んできて、なにか取って行ったよ。
私たちも冬本番に備えよう。
氷雨
氷雨降り湿気あるとも火事はあり
曇天
冬の曇天に心を曇らせて、
思い悩むは人の子か。
現世に重ねて苦しみあり。
誰がために今はある。何のために今は行く。
しぐれ降るときに
目のうずく今宵の空は時雨かな。