月: 2021年10月

曇り日の昼下がりの静けさや

紅白で今年の流行りの曲ぞ知る

スーパーのエノキの土は楽しかな

目は痛し楽しみはなし秋の夕暮れ

在りし日の父のコップで酒をつぐ

吹く風に襟元寒し秋の夜半

どの部屋もいつの間にかLED

（銅鐸を見て思う）

渋柿を食えば鳴るかな銅鐸よ

（こんな透き通った夜には銀河鉄道も現出する）

月明り冷えた鉄の列車ゆく

あわれかな秋の枯れたる蓮の茎

電車からわずかに見えた琵琶湖かな

カメムシの風に転がる遺骸かな

コロナ禍で神輿走らぬ秋祭り

コーヒーも突然hotに秋雨や

かたつむりのろのろ歩けよ道の跡