薄曇り黄砂の夜に春の月
月: 2021年3月
年ごとに
年ごとに桜きれいになりにけり
雨降りて
雨降りて風吹きてなお花は咲く
日差し
眩しきは春の日差しの夕日哉
山桜
風騒ぐ一足早く山桜
古墳
悠久の古墳に風は今も吹く
春の夜
春の夜の桜花の前の嵐かな
この星
三界に命は廻り
宙宇の果ての向こう側に
人はいるのか。
善なるものは悪となり
悪なるものも善となる。
稲妻は下から上に落ち
雨も土から雲に降った。
ある塵はその雨に濡れ
この星に溶けていった。
白い鳩
高き枝は騒ぎ、大時計は正午を告げた。
白い鳩は、木の上からこちらを見ている。
35年前の遊具は、その公園にまだしっかりとあるが
今の子供たちには、不人気のようだ。
(新しい遊具に全ての子供は集まる)
大公園を抜けると、一級河川が見えてくる。
私はしばらくの間、その流れを見つめていた。
堤防
青空と流れる雲と河原だけ
冬の月
冬の月雲は払われ光満つ
朝の風
朝の風雀はチュンチュン話しけり
春二番
春一番二番三番気を付けよ
燕の巣
ツバメの巣お断りのホテル哉
ひっつき虫
冷風は体にぶつかり
春香はあたりに漂う。
ある子は私に声をかけた。
話しの途中に、その子のズボンにひっつき虫を付けたよ。
彼は、にこりと笑ったよ。