冬風にカニサボテンの蕾かな
月: 2020年1月
平安の歌人の遺墨に会いて
墨はまだ千回の冬も色褪せず
言葉尽くせず
目を閉じて歌を聴けば
その歌手の心が伝わってくる。
何を思い歌うのか?
言葉は尽くせず、声も尽くせない。
明確に説明できることは、この世には少ないのだ…
無理に理由を問うても無駄なこと。
ほら、なぜ山に登るのと訊くのと同じさ。
だから、その人を知ろうとすることだと思うよ。
静かな町
冷気が窓を通してやってきた。
今夜は久しぶりに本格的な寒さが来そうだ。
静かな町に、人もカラスも身を潜めて
真冬らしい真冬の夜に備えているだろう。
冬の空
空見れば夏か秋かの冬の空
綿雲
綿雲を飛ばせ六甲おろし哉
暖風
暖風に花芽も蛙も出る真冬
眼痛
右目の痛みが治まると、左目が痛んでくる。
右目が痛くなっているときは、なるべく左目で見ようと
無意識に体が指示していると思う。なので右目が良くなると
左目の疲れがでて痛くなる。体の調子が悪くなると
一番体の弱いところが痛み出す。私にとってはそれは目である。
これはすごく悪くすると大変なことになるので、摂生がとても大事だ。
公園にて凧を引きずる子供見て
凧あげも道路に落ちぬ高さ哉
冬の音
こだまする道路工事や冬の音
鏡餅
食べ尽くし小さき餅の鏡割れ
前の冬
四季は巡り、前の冬と違う感じ。
余が老いたのか、星が老いたのか。
夕飯は、機械的にすすむ。
幸はどこに置き忘れてきたのか。
箱根駅伝にもらう涙ありて
繰り上げのスタート無念箱根かな
街並み
静まりし睦月2日の町並や
春の海
眼はうずき身はつらけれど春の海