月見れば夜風に動く夏雲よ
月: 2020年7月
縄文土器
悠久の時間を留めし器かな
お犬
ひととせを経てども悲しお犬の死
渡る風
廊下を渡る風は、強く吹き抜けた。
窓より見える雲は、この夏一番の入道となり
その下の山並みの7倍の大きさで、青空に佇んでいる。
地上の喧騒は、車のエンジンの音と子供の元気な声。
真っ昼間に蝉は鳴かずに、静かに夕暮れを待っている。
キャンバス
手付かずのキャンバスのままの空模様
蝉寂し
日が暮れて鳴く蝉ひとつ寂しけり
長い梅雨
まだ明けぬ蝉も戸惑う梅雨長し
人のさが
豚牛鶏死肉を食らう人の性
祝日
祝日は蝉も鳴かぬか昼下がり
連休
連休は心も緩む事故の元
万の鐘
美の流れは続き、万の鐘はなる。
さい果ての地から海は落ち、象は今日も地を支える。
コオロギは鳴けども姿は見えず、漆黒は今宵ビルを飲んだ。
露店
夜風なし海辺の夏の露店かな
空と雲
梅雨明けとみまごうほどの空と雲
鳴く蝉
断末魔子らに捕られて鳴く蝉や
梅雨の晴れ間
梅雨休み吹く夕風の心地よさ