渡る風 廊下を渡る風は、強く吹き抜けた。 窓より見える雲は、この夏一番の入道となり その下の山並みの7倍の大きさで、青空に佇んでいる。 地上の喧騒は、車のエンジンの音と子供の元気な声。 真っ昼間に蝉は鳴かずに、静かに夕暮れを待っている。