暑すぎて鹿も溝にはまるかな
月: 2020年8月
蝉果てり
暑けれど蝉のなく声果てたりし
二重の虹
架かりては虹は二重になりにけり
都のビル
霞ては都のビルは絵のごとし
夏雲
夏雲や綿を浮かべて美しき
せせらぎ
せせらぎの音ぞ流れる箕川や
山見えず
かすみては光化学スモッグ山見えず
コウノトリ
コウノトリ男求めて幾千里
虫鳴けど
虫鳴けど暑い夜半の葉月かな
土あるまま店頭にありて
土付きゴボウ洗い賃は高かりし
今夏
コロナ禍でなるべく会わぬお盆かな
一条の流星
夜空に月は輝き、星々は巡る。
夜明けに、一条の流星は刹那に落ちた。
大英雄の命運は尽きたかの如く
思いは千里の時を巡る。
汝、嘆くことなかれ。
宙宇の塵となるまで命を算えよ。
人の世に生まれて人の世に残さぬものやあるべき。
何物か残るだろう。
お盆
眼痛が治まってみればお盆かな
流れ星
眠れずに夜空眺めて流れ星
交差点
静かなりお盆の町の交差点