私は人間が苦手である。
表層的に付き合うのは苦ではないが
その人の持つ個性の強烈であるものを
強く知ったとき、合わせ切れないからである。
それは私の個性が人の個性と相容れないということだ。
しかし、私は美を愛する。
それは現代にあっても古代にあっても先史にあっても
洋の東西であっても、装飾の美であっても、用の美であっても
その造形物に浪漫を感じずにはいられないということである。
しかし、これは間接的に人間の個性を愛することに他ならない。
私は矛盾するのだが、結局のところ人が嫌いで人が好きなのである。