落つ蝉を蹴って鳴かせる人もあり
投稿者: budou
煙り
マグナムと煙草の煙り次元かな
遠き日
遠き日の思い出浮かぶ蝉の音や
夏の階段
夏の夜の階段に、その蝉は落ちていた。
私はその蝉を持って帰り、多少の水を与え
庭の枝にとまらせた。
蝉はあっちこっち枝を渡り
元気そうだったが
翌日の昼にはそこにいなかった。
私はあたりを捜し
その木の下の土に上で
じっとしているのを見つけた。
蝉はまるで生きているようだった。
私は手をそっと合わした。
夏の太陽はじっと地面を照り付けていた。
ひぐらし
あの山のひぐらしの声の風は吹く
騒ぎ
店舗への訴え騒ぎで猫困る
夏の夜
夜聴くは蝉の声の子守歌
鰻丼
即席の鰻丼食べて土用哉
合間
降る雨の合間合間に鳴く蝉よ
街
昼も夜も騒がしき哉夏の街
自転車
自転車の轍になりし油蝉
根競べ
一茶よみ終えると命数根競べ
汽車
連休の夜にこだまする汽車の音や
カラス
烏さん木の中でほら雨宿り
美しき
振り向けば美しきひと菩薩哉