名残惜しツクツクボウシの大合唱
投稿者: budou
季節
季節の変わり目か、体がすごく重いね。
先ほどまでの雨がやんで、颯爽とした夜風が
窓から強く吹き込んできている。
家々の瓦は月光ならぬ街明かりで、きらきら光っているよ。
ああ、ボーっとした頭に脈絡のない英雄が浮かぶ…
范増よ、今宵僅かな星々に項羽の算命はいかに?
私もまた、愉快ならざる世の中に重い体はますます沈む。
またボチボチ降ってきて、星は消えたよ…
ああ、風は冷たく心地よい。秋の訪れね。
虫
眠けれどなかなか寝れぬ虫ら鳴く
ひぐらし
ひぐらしの鳴くや無人の大学寮
雲
雲の間に見えぬか見えるかお月様
好き勝手
近しくもない人間がずけずけと
若き王
悪しき手で小さき墓の若き王心優しき想いは残れり
切り株
あわれかな松の切り株死んだ蝉
松
天高く交差して伸ぶ松2本
タンス
ウクレレは箪笥の肥やしになりにけり
綿菓子
綿菓子を思い出す哉夏の雲
早朝
さわさわと猛暑の予感蝉の声
五輪
国策の五輪の陰で人は病む
水田
水田に蛙の鳴き声二つ哉
はね
はねは折れ色はあせたり鳴く蝉や