雨降りて煙りの中の桜かな
投稿者: budou
雨降れば
雨降れば恵みなれども花は散るらん
庭桜
誰も見ぬ静かに散れよ庭桜
昼の春
雀共尾を交わしたり昼の春
花散る
花散ると見ればちょうちょ舞いにけり
雨ガラス
ずぶ濡れカラスが道わたる。
ずぶ濡れカラスは黒光り。
濡れた尾羽をふりふりと
雨に濡れて大変ね。
800年
800年寺の桜は咲きにけり
黄砂
薄曇り黄砂の夜に春の月
年ごとに
年ごとに桜きれいになりにけり
雨降りて
雨降りて風吹きてなお花は咲く
日差し
眩しきは春の日差しの夕日哉
山桜
風騒ぐ一足早く山桜
古墳
悠久の古墳に風は今も吹く
春の夜
春の夜の桜花の前の嵐かな
この星
三界に命は廻り
宙宇の果ての向こう側に
人はいるのか。
善なるものは悪となり
悪なるものも善となる。
稲妻は下から上に落ち
雨も土から雲に降った。
ある塵はその雨に濡れ
この星に溶けていった。