野点にてゆで待つ卵おかし哉
投稿者: budou
すすき
川辺には薄なびきし風涼し
空の端
空の端の雲は間延びて橋かけり
覆い
天高く薄く覆いをかけし雲
古い車
オンボロな昔の車のエンジンのように
記憶を呼び起こすのに、温まるための時が必要だ。
私の記憶の空白を埋めるパズルは
その時に同じ時を過ごした人に預けてある。
真っ白なムラのない空は
私の心に似ている。
茶碗
割れた茶碗我に似合いの器かな
弱風
秋風の弱く吹く日は珍しき
記憶
故郷ぞ君の記憶に留まりし
歩道
街路樹を切られて暑い歩道かな
夢の家
前の家夢の中で訪れし
知人宅に初めて訪れて
人の家借りた猫より大人しく
汽笛
月明り町に轟く汽笛かな
アキアカネ
山並みを砕きし夢の秋茜
前の家
前の家更地になりて広きかな
夜会
秋風夜風涼やかに、秋の訪れ告げ行かん。
夜会のお誘い喜々として、春のごとくに心舞う。
我は根もなし浮きし身の、関公捧ぐ鬼殺し。
涼し夜風に身をさらし、汝の願いを捜さんか。