古い車

オンボロな昔の車のエンジンのように

記憶を呼び起こすのに、温まるための時が必要だ。

私の記憶の空白を埋めるパズルは

その時に同じ時を過ごした人に預けてある。

真っ白なムラのない空は

私の心に似ている。

夜会

秋風夜風涼やかに、秋の訪れ告げ行かん。

夜会のお誘い喜々として、春のごとくに心舞う。

我は根もなし浮きし身の、関公捧ぐ鬼殺し。

涼し夜風に身をさらし、汝の願いを捜さんか。