牛丼店香りマスクを吹き抜ける
冬の風
吹き通る春の風っぽい冬の風
長靴
雨階段長靴ブーツで滑らぬよう
歩道橋
雨降れば歩道橋は滝のよう
傘
雨露の傘にはじける音楽し
雨露
雨露にじっと打たれよ五輪塔
笑顔
マスク越しそれでもわかる笑顔かな
水草
水草を入れて集まる冬メダカ
強き風
強き風吹いて揺らすは梅の花
明日
こんなにも温かい日の明日恐い
電球
暗けれどこれもまた良し電球や
軋み
電車の軋み、風の吹くままに
反響の幾重にもこだまして
夜更けの町に静かに響く。
ああ寂寥は溢れ出て、一体何を求めるか?
人か… 一杯の酒を干して
ただわからぬままに眠る。
うずく目
疼く目はどうにもならむ雪の日や
初雪
夜の間に初雪降りて町白し
大風
大風と寒さは増して山清し