あわれかな松の切り株死んだ蝉
松
天高く交差して伸ぶ松2本
タンス
ウクレレは箪笥の肥やしになりにけり
綿菓子
綿菓子を思い出す哉夏の雲
早朝
さわさわと猛暑の予感蝉の声
五輪
国策の五輪の陰で人は病む
水田
水田に蛙の鳴き声二つ哉
はね
はねは折れ色はあせたり鳴く蝉や
夕立
真夏日に夕立降りて風は澄み
灯火
灯火があればそこに祈りあり
夏の月
夏の月今年一番綺麗かな
夏雲や
夏雲やオニヤンマは低く飛び
川面
燕とぶ川面の上をスピード違反
真昼
真夏日の真昼に響く雷鳴や
アブラゼミ
生き急ぎ死に急ぐなや油蝉