幻か父がとらえしクワガタや
夜の空
夜の空母と子は見て七夕や
大空
大空に心めぐらせ夏の月
初蝉や2
初蝉や真昼の夢か曇り空
初蝉や
初蝉や曇り空にこだまする
紫陽花や
紫陽花や枯れて咲けるもあわれかな
花
紫陽花と比べて短しクチナシや
苦手
私は人間が苦手である。
表層的に付き合うのは苦ではないが
その人の持つ個性の強烈であるものを
強く知ったとき、合わせ切れないからである。
それは私の個性が人の個性と相容れないということだ。
しかし、私は美を愛する。
それは現代にあっても古代にあっても先史にあっても
洋の東西であっても、装飾の美であっても、用の美であっても
その造形物に浪漫を感じずにはいられないということである。
しかし、これは間接的に人間の個性を愛することに他ならない。
私は矛盾するのだが、結局のところ人が嫌いで人が好きなのである。
くちなし
クチナシは枯れても残る花の香や
偉大
今頃に分かった偉大亜星さん
祖父の家
NHKつけっぱなしの祖父の家
足
あっ踏んだ蜘蛛さん足を登ってく
窓の風
窓の風涼しけれどもうるさきや
鳥
鳥鳴きて梅雨はひと時休み哉
かも
見渡せば夏鴨の行く流れ哉