マンションのエントランスに猫は行く
オリーブの実
とまりてもカラスは食わぬオリーブ果
仄明かり
仄明かり闇に小さなルミナリエ
冬晴れ
冬晴れの夜は冷たく星冴える
ディスタンス
距離あけよ言われるほどに人恋し
せわしい
せわしくも人を怒るな師走かな
冬の虹
しぐれては冬の虹をさがしけむ
山肌
山肌を海から望む六甲山
師走の前に
あれこれと心せわしく走り気味 つまずき転ばぬ先の杖出せ
時雨
居留地で時雨に打たれこれも良し
タナゴ
飛び出でて日干しになりし我がペット
飛行機雲
晩秋に飛行機雲は輝きぬ
名詩覚書
詩人は苦痛をも享楽する。永久の未完成これ完成である。(宮沢賢治)
死せよ、成れよ!このことを会得せぬものは、暗き地上をさまよう悲しい旅人にすぎぬ。(ゲーテ)
鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。(金子みすず)
青くてもあるべきものを唐辛子(芭蕉)
ランプ
見つかりしランプの傘のクモの巣よ
紅葉
紅葉の山薄化粧雲の傘