霞ては都のビルは絵のごとし
夏雲
夏雲や綿を浮かべて美しき
せせらぎ
せせらぎの音ぞ流れる箕川や
山見えず
かすみては光化学スモッグ山見えず
コウノトリ
コウノトリ男求めて幾千里
虫鳴けど
虫鳴けど暑い夜半の葉月かな
土あるまま店頭にありて
土付きゴボウ洗い賃は高かりし
今夏
コロナ禍でなるべく会わぬお盆かな
一条の流星
夜空に月は輝き、星々は巡る。
夜明けに、一条の流星は刹那に落ちた。
大英雄の命運は尽きたかの如く
思いは千里の時を巡る。
汝、嘆くことなかれ。
宙宇の塵となるまで命を算えよ。
人の世に生まれて人の世に残さぬものやあるべき。
何物か残るだろう。
お盆
眼痛が治まってみればお盆かな
流れ星
眠れずに夜空眺めて流れ星
交差点
静かなりお盆の町の交差点
ひぐらし
ひぐらしの声ぞききしは幻か
浮きし雲
浮きし雲揺るがなきよで夜消えぬ
油蝉
羽根破れ足も折れたりアブラゼミ